週刊ニュースダイジェスト

週刊ニュース

2026年3月

2026-03-01
【第2週】
■厚労省 第10期計画の基本指針の概要を提示(3月9日)
 自治体が作る27年度からの第10期介護保険事業(支援)計画のガイドラインとなる国の基本指針について、検討されるべき事項の概要を介護保険部会で示した。三つの地域類型(中山間・人口減少地域、大都市部、一般市等)を念頭に置いた計画策定などが必要とされる。今年7月をめどに指針の見直し案がまとめられる予定。

■26年度の現役世代の介護保険料は平均月6360円(3月9日)
 厚労省は26年度に40~64歳が負担する介護保険料(第2号保険料)として、平均月6360円(事業主負担分、公費分含む)の見込み額を介護保険部会に報告した。会社員などサラリーマンの支払い額は労使折半となる。

■厚労省 通信機能のある福祉用具を保険適用へ(3月9日)
 利用者が屋外に携行する徘徊感知機器についてGPSの位置情報を家族らに通知できる機能を新たに介護給付の対象とする方針を福祉用具に関する検討会で示した。また電動車椅子や介護ベッドなど貸与対象となる福祉用具のバッテリー状態や故障などを通知する機能も対象に含まれる。

■厚労省老健局 介護保険の担当課長会議資料を公開(3月11日)
 25年度の「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」の資料をウェブサイト上に公開した。集合形式の会議は行われず、資料の説明動画もサイトに掲載される。

■特例入所は人口減少地域のサービス維持に有効(3月11日)
 要介護1・2の利用者が特養に入所できる特例入所制度について、厚労省は中山間・人口減少地域のサービス提供体制確保の状況によっては有効だとして、制度の円滑化な実施を自治体に要請した。老健局が公開した全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議の資料で高齢者支援課が説明した。

■厚労省 リーダー研修修了後の再確認を周知(3月11日)
 高齢者支援課は全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議の資料でユニットリーダー研修について説明し、研修修了後に意見交換の場を設け、課題の共有などが行えるよう修了生へのフォローアップの取り組みを自治体に求めた。

■財務省 「秋の建議」の予算反映状況を報告(3月12日)
 財政制度等審議会が昨年12月に出した「26年度予算の編成等に関する建議」(秋の建議)の予算案への反映状況を記載した資料を同審議会の財政制度分科会に提出した。介護分野では建議が求めていた利用者2割負担の範囲拡大について、預貯金などの把握に関する検討を行い、第10期介護保険事業計画期間の開始(27年度)前までに結論を得ると記述した。

■EPA介護福祉士候補者らも処遇改善の対象に(3月13日)
 厚労省は26年度に施行される臨時の介護報酬改定に伴い、介護職員に対して最大で月1万9000円の賃上げを可能とする処遇改善加算の趣旨や事務手続きなどについて自治体に周知した。併せてQ&A(第1版)を公表し、EPA介護福祉士候補者や特定技能の外国人人材も同加算の対象になるといった説明を盛り込んだ。

■厚労省 期中改定の処遇改善加算の単位数を告示(3月13日)
 今年6月に施行される介護報酬改定(期中改定)で行われる介護職員等処遇改善加算の引き上げについて、サービスごとの単位数表などを示した基準の改正を告示した。特養では生産性向上の取り組みを前提にした最上位の「加算Ⅰロ」は17・6%と定められた。

■特養などの居住費負担が8月から一部引き上げ(3月13日)
 厚労省は特養など介護保険施設の食費・居住費の負担限度額改正を告示した。低所得者のうち一定の収入がある入所者が対象。ユニット型では今年8月から食費が第3段階①で1日当たり30円、第3段階②で60円引き上げられる。同じく居住費は第3段階②で100円引き上げられ、1470円(月約4万5000円)となる。
【第3週】
■「パート合格」初年度の介護福祉士試験合格発表(3月16日)
 厚労省は介護福祉士国家試験の合格者を発表した。受験者数は7万8469人で前年度から約3000人増加した一方、合格者は5万4987人で約4000人減った。合格率は70・1%と前年度の78・3%から大きく落ち込んだ。導入初年度となる「パート別合格者」は延べ1万1625人。

■厚労省 5月実施の介護実調へ協力呼びかけ(3月17日)
 27年度の介護報酬改定に向けた作業の基礎資料となる介護事業経営実態調査を今年5月に実施するとして介護施設・事業所に協力を要請した。実調は無作為抽出方式で行われ、25年度の損益状況をはじめ介護テクノロジーの導入や職員の配置・給与などを調べる。

■日本医師会など 高額な紹介手数料への対応を提言(3月18日)
 日本医師会と四病院団体協議会は有料職業紹介事業の適正化に関するワーキンググループの報告書を公表した。高額な紹介手数料により医療・介護の提供体制が揺るがされているとして、紹介手数料の上限規制、早期離職に伴う返戻金制度の義務化などを提言した。
【第4週】
■7月末までにLIFE移行作業の完了が必要(3月23日)
 厚労省はLIFE(科学的介護情報システム)の運営主体を国保中央会に移管することに伴い、各施設・事業所がLIFE関連加算の算定継続のため、利用者情報の再登録などの移行作業を5月11日から7月31日までの間に行う必要があることを周知した。

■厚労省 第10期計画策定の準備作業内容を提示(3月26日)
 都道府県や市町村が策定する第10期介護保険事業(支援)計画(27年度~)について、2040年を見据えた論点など今年度当初から進めるべき準備作業の留意事項や具体的な手順を示した。人口動態に関わる「地域分類」への該当状況を分析し、中山間・人口減少地域では特例介護サービスの新たな類型などの制度改正事項についても議論するように求めた。

■厚労省 人員不足による介護費減算に猶予措置(3月30日)
 介護職員やケアマネの配置数が基準を下回ると介護給付費が3割減らされる人員配置欠如減算について、突発的な事情で人員欠如が発生した場合、1年に1回限り、3カ月以内は減額を猶予する方針を介護給付費分科会で報告した。介護・看護職員の欠員が基準の1割超の場合は適用されない。

■厚労省 協力医療機関との会議開催頻度を緩和(3月30日)
 協力医療機関連携加算の算定要件として、月1回以上とされている介護施設と協力医療機関との会議の開催頻度を、ICTによる情報共有を行う場合は年1回に緩和する取り扱いを介護給付費分科会で示した。26年度に行われる診療報酬改定に合わせた措置。

■協力医療機関を定めている特養は約7割(3月30日)
 24年度の介護報酬改定で介護施設に対して3年間(26年度末まで)の経過措置を伴って義務化された協力医療機関の選定について、厚労省は選定状況などに関する調査結果を介護給付費分科会で報告した。昨年11月までに①常時相談体制②常時診療体制③原則入院受け入れ――の3点を全て満たす医療機関を定めている特養は67・9%、老健は83・3%だった。

■厚労省 初任者研修のオンライン受講を制度化(3月31日)
 介護職員初任者研修の取扱細則を改正し、通信学習については録画配信を含むオンライン学習が可能(上限40・5時間)であることを正式に盛り込んだ。同細則は27年度に施行され、それに伴い研修全てを通信教育で修了できるコロナ対応の臨時措置は廃止される。

2026年2月

2026-02-01
【第2週】
■大阪府 3万円分のギフトカード支給受付開始(2月9日)
 社会福祉施設などで働く幅広い介護従事者らを対象に3万円相当のギフトカードを支給する支援事業への申請受け付けを開始した。締め切りは3月23日。

■高市首相 今夏までに「国民会議」中間とりまとめへ(2月9日)
 衆院選結果を受け、自民党総裁として行った会見で「少なくとも夏前には国民会議で中間取りまとめを行いたい」と述べ、社会保障改革に向けた超党派での議論を進めていく考えを示した。

■介護施設への物価高対策支援を加速へ(2月10日)
 今年度補正予算で措置された医療・介護等支援パッケージによる補助金について、上野厚労相は閣議後会見で、介護施設などに対して「昨年の同種の事業に比べて3カ月程度前倒しして届けられるよう努めたい」と述べた。

■上野厚労相 26年春闘でも5%超の賃上げを期待(2月10日)
 閣議後会見で春闘の賃上げ率が2年連続で5%を超えたことに触れ、今年の春闘についても「遜色のない水準での賃上げ、とりわけ物価上昇を上回る賃上げが実現することを期待している」と述べた。

■厚労省 関係部局長会議の資料を公開(2月10日)
 今年度の「全国厚生労働関係部局長会議」の資料をウェブサイトで公開した。老健局の資料では次期介護保険制度のあり方、今年度補正予算に盛り込まれた賃上げ支援策、26年度に行われる臨時の介護報酬改定(期中改定)などに関する説明が行われている。また、黒田秀郎老健局長による説明動画も併せて公式ユーチューブチャンネルで公開された。

■WAM調査 特養の不足人員は平均5・5人(2月12日)
 福祉医療機構(WAM)は25年度の「特別養護老人ホームの人材確保に関する調査」の結果を公表した。職員が不足していると回答した施設は64・0%で24年度調査より5ポイント低下したが、不足人員数は平均5・5人と24年度調査の3・6人から増加した。人材確保が難しい要因に関する質問では「他産業より低い賃金水準」を挙げた施設が77・9%(複数回答)を占め、24年度調査から12ポイント以上も上昇した。

■診療報酬改定 介護施設の後方支援を効率化(2月13日)
 中医協は来年度の診療報酬改定の内容を厚労相に答申した。協力医療機関による介護施設の後方支援を効率化する観点から、施設入所者の入院や往診に関わる加算の要件とされるカンファレンスの頻度を、ICTによる情報共有を行う場合は年1回、そうでない場合は原則年3回に見直すとした(現行はそれぞれ年3回と月1回)。
【第3週】
■厚労省 LIFEの加算を「2階層化」へ(2月16日)
 LIFE(科学的介護情報システム)関連加算について、現在約9割の施設・事業所が算定している科学的介護推進体制加算を1階層目の加算とし、同加算の取得を前提に、それ以外の関連加算を2階層目と位置づける見直しを介護給付費分科会で提案した。また27年度介護報酬改定では、訪問介護など現在は対象外とされるサービスにLIFE関連加算を新たに導入することは慎重であるべきだとの考え方を示した。

■特養の生産性向上推進体制加算の取得率は約3割(2月18日)
 厚労省は介護給付費分科会の専門委員会に24年度介護報酬改定の効果検証調査の結果を報告した。生産性向上推進体制加算の算定状況は特養で加算Ⅰが2・8%、加算Ⅱが31・9%だった。老健は同じく3・0%と33・2%だった。同加算の取得は来年度の臨時報酬改定に盛り込まれる介護職員を対象にした賃上げの上積み(月7000円)の要件とされる。

■協力医療機関選定の要件を満たす特養は約3分の2(2月18日)
 介護施設に義務付けられている協力医療機関の選定(26年度末まで経過措置)について、①常時相談対応②常時診療③入所者の入院原則受け入れ(病院に限る)の3要件すべてを満たす医療機関を定めている特養は67・9%だった。昨年9~11月に実施した調査の結果として、厚労省が介護給付費分科会の専門委員会に報告した。

■WAM調査 従来型特養は約45%の施設が赤字(2月20日)
 福祉医療機構(WAM)は24年度決算に基づく「特別養護老人ホームの経営状況」を公表した。収益性を示す「サービス活動増減差額比率」は従来型で1・0%と23年度から黒字幅が0・5ポイント低下。赤字施設は全体の45・2%を占めた。一方、ユニット型は黒字幅が0・2ポイント上昇して5・1%となった。赤字施設割合は31・5%だった。
【第4週】
■大都市部などへも介護の基準緩和特例適用を議論へ(2月26日)
 政府の規制改革推進会議は中間答申をまとめた。中山間・人口減少地域で人員配置基準の緩和などを行う特例介護サービスの新たな類型について、大都市部や一般市などでも介護サービスの提供が困難なエリアがあるとして、対象範囲を「過度に限定しないこと」と記述。26年度中に介護給付費分科会で結論を得るべきだとした。

■認知症バリアフリーの手引、飲食店編などを追加(2月27日)
 日本認知症官民協議会は「認知症バリアフリー社会実現のための手引き」の飲食店編と家電量販店編を新たに作成し、ウェブサイトで公開した。各業界や企業において接遇マニュアルを作成する上で参考にしてもらうことが目的。

2026年1月

2026-01-01
【第2週】
■高市首相 超党派の「国民会議」立ち上げへ(1月5日)
 三重県伊勢市で行われた年頭記者会見で社会保障制度改革に関する「国民会議」を1月に立ち上げると述べた。野党にも参加を呼びかけ、給付付き税額控除など社会保障と税の一体改革を話し合う。

■昨年の介護事業者の倒産が過去最多(1月9日)
 東京商工リサーチは介護事業者の倒産が25年、176件で前年より2・3%増え、2年連続で最多を更新したと発表した。中でも訪問介護が91件(前年比12・3%増)と突出した。求人難など「人手不足」倒産が目立っている。

■認知症施策の推進計画を立てた市区町村は1割弱(1月8日)
 政府の認知症施策推進関係者会議で、厚労省は自治体が認知症の人や家族らの意見を聴きながら作ることが努力義務となっている認知症施策推進計画について、策定状況を公表した。昨年4月時点で策定済みの都道府県は40・4%、市区町村は8・9%だった。

■清掃ロボットなどの購入に補助金支給(1月9日)
 厚労省は業務効率化を目的とする中小企業庁の「省力化補助金」の対象に、社会福祉法人や中小企業などが運営する介護施設・事業所が清掃、配膳ロボットを購入する場合も含まれるようになったことを周知した。3月中にはとろみ給茶機などの導入に伴う補助金の申請もできるようになる。
【第3週】
■処遇改善へケアプラン連携促進の取り組みを周知(1月13日)
 今年度補正予算に盛り込まれた介護分野の賃上げ支援事業について、厚労省は月5000円の上乗せ措置に向けた要件(訪問・通所系などが対象)としているケアプランデータ連携システムへの加入を促進するため、カードリーダーの購入費助成や同システムの利用料を今年5月まで無料にする「フリーパスキャンペーン」などの取り組みを改めて周知した。

■1定員当たり2万4000円補助の実施要綱を周知(1月14日)
 厚労省は今年度補正予算に盛り込まれたサービス継続支援事業の実施要綱を周知した。特養など介護施設に対する食料費支援(定員1人当たり上限1万8000円)、介護施設・事業所が行う食料品備蓄など大規模災害への備えに対する支援(同6000円)に関する電話相談窓口を定めた。

■来年度臨時改定 特養は1・3%分の加算上積み(1月16日)
 26年度に行われる臨時の介護報酬改定について、厚労省は介護職員を対象にした月7000円の上乗せ措置の詳細を介護給付費分科会で示した。特例要件(施設サービスでは生産性向上推進体制加算の取得など)を満たせば、介護職員等処遇改善加算の加算Ⅰ・Ⅱに加算率が上乗せされる。特養の加算Ⅰは16・3%→17・6%、同Ⅱは15・9%→17・2%となる。

■居宅介護支援の処遇改善 加算率は2・1%(1月16日)
 厚労省は来年度介護報酬改定で新たに介護職員等処遇改善加算の対象となる職種の加算率を介護給付費分科会で示した。訪問看護は1・8%、訪問リハビリテーションは1・5%、居宅介護支援・介護予防支援は2・1%とされた。

■厚労省 医療機関との連携状況調査を来年度実施(1月16日)
 24年度介護報酬改定の効果検証などを目的に26年度に実施する調査の一環として、特養など高齢者施設と協力医療機関との連携状況などを調べる方針を介護給付費分科会で示した。同調査では併せて、中山間地域などの訪問・通所系を対象にした各種加算のあり方に関する調査も実施される。
【第4週】
■厚労省 賃上げ補助金に関するQ&Aを作成(1月21日)
 今年度補正予算に盛り込まれた介護従事者を対象に幅広い賃上げを行うための補助金に関するQ&A(第1版)を作成し、自治体などに周知した。今年度中に補助金の支給を受けた施設・事業所は今年度中に賃金改善や職場環境改善を行う必要があるなどとした。

■訪問介護の休廃業が過去最多を連続更新(1月23日)
 東京商工リサーチは介護事業者が倒産以外の理由で事業を停止した「休廃業・解散」が25年は653件に上り、4年連続で最多を更新したと発表した。訪問介護が465件と大部分を占めた。
【第5週】
■厚労省 経営実態調査を今年5月に実施(1月29日)
 27年度介護報酬改定の基礎資料となる介護事業経営実態調査について、今年5月に実施し、同10月ごろに公表する案を介護給付費分科会の調査委員会で示した。すべての介護サービスを対象に抽出方式で行われる。特養など施設系サービスに対しては今回から食費に計上される食事提供回数を把握するための調査項目が追加される。

■厚労省 協働化・大規模化のガイドラインを公表(1月30日)
 個々の介護施設・事業所では対応が難しい経営上の課題に関し、他の事業者との連携により解決が図られるケースが多いとして、全国16カ所の事例に基づいた「経営の協働化・大規模化の進め方ガイドライン」を作成、周知した。

■医療・福祉に携わる外国人労働者は14万6000人(1月30日)
 厚労省は昨年10月末時点の「外国人雇用状況」のまとめを公表した。「医療・福祉」に携わる外国人は前年同時期より約26%増加して14万6105人だった。外国人労働者全体の5・7%を占める。

2025年12月

2025-12-01
【第1週】
■厚労省 利用者2割負担の対象者拡大へ具体案(12月1日)
 介護サービスの自己負担割合が2割となる「一定以上所得」の判断基準を現行の年収280万円以上(単身者)から、230万~260万円以上へ引き下げる案を介護保険部会で明らかにした。急激な負担増を抑えるため、当分の間は1割負担からの負担増を最大7000円とすることや、預貯金が一定額未満の利用者は1割負担に戻すなどの配慮措置案も示した。

■財務省審議会 利用者2割負担の範囲拡大を主張(12月2日)
 財務省の財政制度等審議会は来年度予算の編成に関する建議(意見書)をまとめ、介護制度改革の必要性を強調した。利用者2割負担の対象範囲拡大について27年度の制度改正で「確実に実施すべきである」と記述した。

■介護の処遇改善の原資は業務効率化で(12月2日)
 財政制度等審議会は来年度予算編成に関する建議の中で介護分野の職員の殊遇改善に触れ、介護テクノロジーの活用や経営の大規模化による業務の効率化が不可欠であると述べ、「効率化分を賃上げ原資としていくことが重要」だとの考え方を明示した。

■訪問介護の倒産が3年連続で過去最多を更新(12月3日)
 東京商工リサーチは訪問介護事業者の倒産が11月末までに85件に達し、昨年1年間の倒産件数(81件)を超えて過去最多を更新したという調査結果を公表した。過去最多の更新は3年連続。ヘルパー不足や介護報酬引き下げに加え、人件費や燃料費の高騰が光熱費などが原因だと分析している。

■厚労省 食費の基準費用額引き上げを検討へ(12月3日)
 今年度の介護事業経営概況調査で、特養など介護保険施設で提供される食費の平均額が現行の基準費用額を上回ったことを受け、食費の基準費用額について「必要な対応」を検討すべきだとする考え方を介護給付費分科会で示した。

■自民党調査会 来年度の報酬改定に向けて決議(12月4日)
 自民党の社会保障制度調査会は来年度の介護報酬改定について、他産業平均と遜色ない賃金水準となるよう、「必要十分な改定」を求める決議を行った。物価上昇による税収増や賃上げに伴う保険料増収分を活用すべきだとした。また賃金・物価上昇に対応し、「報酬を機動的に調整する対応」が可能となる仕組みの検討を求めた。

■高市首相 利用者負担見直しの結論を年末までに(12月5日)
 来年度予算編成の基本方針に関する答申を行った経済財政諮問会議のまとめで、当面の対応が急がれる課題として「介護の利用者負担を見直すこと」を例示し、年末までに結論を得た上で来年度予算編成、制度改正に反映させることを厚労相、財務相に指示した。
【第2週】
■大阪府 介護職員に3万円のギフトカードを配布(12月10日)
 物価高騰対策として編成した今年度補正予算案を発表した。介護、障害、保育施設など福祉施設で働く職員に対して3万円分のギフトカードを配る経費として約140億円を計上した。

■厚労省 来年度の介護報酬改定は6月施行を予定(12月12日)
 総合経済対策で示された臨時の介護報酬改定について、今年度補正予算に今年5月までの賃上げ支援が盛り込まれたことなどから今年6月に施行する方針を示した。

■処遇改善加算の対象範囲をケアマネなどに拡大(12月12日)
 介護職員の賃上げ原資として24年度の介護報酬改定で一本化された介護職員等処遇改善加算について、厚労省は来年度の臨時改定で新たに訪問看護、訪問リハ、居宅介護支援及などを新たに同加算の算定対象とする方針を介護給付費分科会で示した。

■厚労省 処遇改善加算の上位区分に加算率を上乗せ(12月12日)
 現行の介護職員等処遇改善加算の上位区分(Ⅰ、Ⅱ)について、来年度の臨時改定において生産性向上や協働化に向けた取り組みを評価し、加算率を上乗せする方針を介護給付費分科会で示した。具体的な要件としては、訪問・通所サービスではケアプランデータ連携システムの導入、施設・居住サービスでは生産性向上推進体制加算の取得が想定される。
【第3週】
■介護福祉士国家試験 経過措置の延長可否に結論出ず(12月18日)
 介護福祉士養成施設の卒業者を対象に、国家試験を受験・合格しなくても一定条件の下で介護福祉士資格を取得可能とする経過措置(26年度卒業生まで)の再延長について、社会保障審議会の福祉部会は同日まとめた報告書では結論を示さず、厚労省に「必要な対応」を講じるように求めた。

■介護職員数は横ばい(12月19日)
 厚労省は昨年の「介護サービス施設・事業所調査」の結果を公表した。昨年10月1日時点の介護職員数は212万6227人で、前年同期に比べ487人の増加にとどまった。介護職員の処遇改善や外国人介護人材の受け入れ環境整備などに取り組むとした。

■来年度の報酬改定に向けた考え方がまとまる(12月19日)
 介護給付費分科会は26年6月に施行される臨時の介護報酬改定に関する審議報告をまとめた。介護職員等処遇改善加算の上乗せや対象職種の拡大に向けてクリアすべき要件が示された。また介護施設における食費の基準費用額について「必要な対応を行うことが適当」と記述した。
【第4週】
■来年度の介護報酬改定 2・03%引き上げを決定(12月24日)
 政府は来年度に行う臨時の介護報酬改定について、来年度予算の大臣折衝を踏まえて2・03%の改定率とすることを決めた。介護職員以外の幅広い介護従事者を対象に月1万円の賃上げを実施するなど処遇改善分として1・95%、食費の基準費用額を1日当たり100円引き上げるために0・09%が措置される。前者は今年6月、後者は同8月に施行される。

■利用者2割負担の対象者拡大は結論先送りを決定(12月24日)
 政府は大臣折衝事項として、介護サービスの利用者2割負担の対象となる所得基準見直しに関しては「第10期介護保険事業計画期間の開始(令和9年度~)の前までに結論を得る」と盛り込んだ。これを受けて、25日に介護保険部会がまとめた制度見直しに関する意見書でも「本部会での継続検討」することが適当だと記述した。

■介護施設などでの虐待が4年連続で過去最多を更新(12月25日)
 厚労省は24年度に介護施設・事業所の職員による虐待と判断された件数が1220件で前年度より8・6%増加し、過去最多を更新したという調査結果を公表した。増加は4年連続。虐待で死亡に至った事例は5件だった。

■今年度当初の特養待機者は約21万人(12月25日)
 厚労省は25年4月1日時点の要介護3以上の特養待機者が、20万6000人で前年同時期と比較して4万7000人減ったとする集計結果を公表した。特例入所の対象となる要介護1・2の待機者は1万8000人で前年度から4000人減少した。

■厚労省 補正予算による処遇改善の要綱を通知(12月25日)
 今年度補正予算に盛り込まれた新たな総合経済対策として行われる介護分野の処遇改善事業について、事業の実施要綱を都道府県に通知した。介護職員以外も含む幅広い介護従事者を対象に12月から半年間、月1万円の賃上げなどを行うための補助金が交付される。

■協力医療機関を定めている特養は約7割(12月25日)
 24年度介護報酬改定で介護施設に義務づけられた協力医療機関の選定(26年度末まで経過措置)について、厚労省は昨年8月1日時点の状況を調査し、公表した。診療体制の常時確保や入院の原則受け入れ体制などについてすでに連携を図っている施設は特養が67・9%、老健が83・3%だった。

■来年度予算案が決定 介護予算は1・4%増加(12月26日)
 政府は過去最大となる一般会計総額約122兆3000億円の26年度予算案を決定した。厚労省の一般会計予算約35兆円のうち介護には今年度当初予算より1・4%多い約3兆8000億円が計上された。介護従事者の処遇改善を主眼とする臨時の介護報酬改定(改定率2・03%)が盛り込まれた。

2025年11月

2025-11-01
【第2週】
■介護労働シンポジウムの動画を無料配信(11月4日)
 介護労働安定センターは「第29回介護労働シンポジウム」の動画配信を開始した。内容は介護事業所における管理者・リーダーの役割や育成をテーマにした基調講演とパネルディスカッション。視聴無料で来年3月27日まで公開、申し込みは同センターサイトから。

■財務省 介護従事者の「効率化」を主張(11月5日)
 来年度予算編成に向けた議論を始めた財政制度等審議会の財政制度分科会で社会保障をテーマに取り上げ、医療・介護産業の「コスト構造の見直し」を主張した。医療・介護従事者の収入を構造的に増やしていくために「より少ない就業者で質の高いサービスが提供できるよう、効率的で持続可能な産業構造への転換が不可欠」という考え方を明確にした。

■上野厚労相 介護への支援「スピード感を持って」(11月7日)
 介護職員の処遇改善や施設支援などに関する対応について閣議後会見で問われ、経済対策を盛り込んだ補正予算の取り組みを通じて「スピード感を持って対策を講じていきたい」と述べた。

■老施協調査 1人当たり食費が昨年より約90円上昇(11月7日)
 全国老人福祉施設協議会は特養の食費(基準費用額)に関する調査結果を公表した。今年6月の利用者1人当たりの食費は1日1788円で昨年同時期に比べて88円増加した。半数の施設が利用者負担額を基準費用額(1445円)に設定していることなどから、約80人規模の特養で年間1000万円が赤字となると試算した。

■厚労省 介護施設事故に関する新ガイドラインを作成(11月7日)
 特養の事故予防に向けては12年にガイドラインが作られたが、重度者の増加や介護テクノロジー導入に伴う環境変化に対応し、新たに「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン」を作成し、周知した。居宅系・居住系サービスでの安全管理の内容も盛り込んだ。
【第3週】
■人口減少地域の訪問介護定額払いを27年度から導入(11月10日)
 中山間・人口減少地域の訪問系サービスに現行の出来高報酬に加え、包括報酬(月単位の定額払い)を導入する考え方について、厚労省は次期介護報酬改定(27年度~)から希望する自治体は実施を可能とするスケジュール案を同日の介護保険部会で示した。単価のあり方などは来年度までに介護給付費分科会で検討を進める。

■厚労省 夜間対応型訪問介護を廃止へ(11月10日)
 介護人材など限られた地域資源を有効活用する観点から、夜間対応型訪問介護を廃止し、機能が機能が重複している定期巡回・随時対応型訪問介護看護と統合することを介護保険部会で提案した。

■実務者研修の科目免除制度を導入へ(11月11日)
 厚労省の福祉人材確保専門委員会は議論の整理を取りまとめ、介護福祉士国家試験(実務経験ルート)の受験資格となる実務者研修について、保育士など他の国家資格保持者を対象にした一部科目免除や単位制導入の必要性を盛り込んだ。一方、介護福祉士養成施設卒業者の国家試験免除措置(来年度卒まで)については、終了か延長かの方向性を示さなかった。

■財務省 利用者2割負担拡大へ金融資産の考慮を(11月11日)
 財政制度分科会で介護分野を議論し、利用者2割負担の対象者拡大に向けて「高齢者世帯の金融資産保有状況も考慮に入れて検討すべき」と主張した。一定以上の所得・資産のある利用者は負担が増加しても「利用控えに与える影響は限定的」との見方を示した。併せてケアマネジメントへの利用者負担導入、軽度者(要介護1・2)の通所介護の地域支援事業移行などもテーマに挙げられた。

■上野厚労相 医療費一律3割負担は「現実的でない」(11月11日)
 11月5日の財政制度分科会で財務省が70歳以上の医療費の自己負担割合を3割とすべきだとする改革案を示したことへの見解を閣議後会見で問われ、「窓口負担割合を一律3割というのは現実的ではないと考えています」と述べた。

■厚労省 配置医師の診療に伴う報酬の枠組みを整理(11月10日)
 特養での医師の診療行為に関して診療報酬あるいは介護報酬による算定の枠組み(給付調整)を改めて周知した。配置医師の診療は介護報酬で賄われるが、外部医師が緊急時や配置医師の専門外の傷病に対応した場合、初・再診料、往診料などが算定できる。また配置医師が末期のがん患者の診断、看取りを行った場合、各種の診療報酬や加算が算定できる。

■介護13団体が賃上げ状況調査の結果を報告(11月12日)
 全老健など介護関連の13団体が記者会見し、今年夏に実施した「介護現場の幅広い職種の賃上げ実現のための賃上げ状況調査」の結果を公表した。今年度の賃上げ率は2・58%で、昨年度の2・99%を下回った。介護職では3・20%から2・71%へ下がった。

■上野厚労相 介護保険などでの金融所得把握に前向き(11月14日)
 医療・介護の保険料算定に金融所得を反映させる議論について閣議後会見で問われ、課税後は金融所得が保険料算定や自己負担割合の決定に使われない「不公正」の是正に取り組むべきだと述べ、法令上で提出義務を課す必要性があるとの考え方を示した。
■今年の平均給与の伸びは2・0%にとどまる(11月14日)
 厚労省は今年度に実施した「介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査」の結果(速報版)を公表した。基本給(月給)に手当、一時金を加味した今年7月時点の平均給与額は34万1340円で昨年9月時点より6840円(2・0%)の増加にとどまった。
【第4週】
■厚労省 身寄りのない高齢者を支援する新事業検討(11月17日)
 判断能力が不十分だったり頼れる身内がいない高齢者が地域で自立して暮らせるよう支援する新しい事業を設ける方針を社会保障審議会の福祉部会で示した。事業内容は「日常生活支援」に加え、「入院・入所等の手続支援」と「死後事務の支援」の一方(または両方)で事業主体は問わない。

■厚労省 ケアプラン有料化に向けた動きを加速(11月20日)
 ケアマネジメントの利用者負担導入に向けた案を介護保険部会で示した。利用者の所得状況を勘案することや、住宅型有料老人ホームの入居者に関わるケアマネジメント有料化、ケアマネジャーが行う事務の実費相当分を利用者に求める考え方などが示された。

■厚労省 「2割負担」の判断基準に預貯金を考慮(11月20日)
 介護サービスの利用者負担について、高齢者世帯の貯蓄水準は現役世代よりも高いとして、預貯金など貯蓄額の勘案を通じて「2割負担」の対象範囲を広げられないかと介護保険部会で提案した。

■「軽度者」の介護保険外しは見送りへ(11月20日)
 軽度者(要介護1~2)の訪問介護、通所介護の「総合事業」移行について、厚労省は同日の介護保険部会で「引き続き、包括的に検討を行う」として次期制度改正では見送る方針を示した。

■政府が総合経済対策を決定 介護従事者に月1万円(11月21日)
 政府は新たな総合経済対策を決定し、26年度の介護報酬改定(臨時改定)実施を明記した。また赤字の介護施設などに対する「医療・介護等支援パッケージ」の緊急措置を盛り込んだ。同対策決定後の会見で高市首相は「介護従事者全般には月1万円の半年分の賃上げを措置する」と述べた。

■厚労省 処遇改善加算の対象範囲拡大を検討(11月21日)
 政府の総合経済対策で介護現場で働く「幅広い職種」の賃上げが目指されたことを受け、現行では訪問看護や居宅介護支援などが算定対象に含まれない「介護職員等処遇改善加算」の範囲拡大を介護給付費分科会に諮った。
【第5週】
■昨年度決算で特養の半数近くが赤字(11月26日)
 厚労省は今年5月に行った「介護事業経営概況調査」の結果を介護給付費分科会の介護事業経営調査委員会に示した。特養の収支差率は23年度決算が1・3%、24年度決算が1・4%のプラスだった。一方、24年度決算で収支差率がマイナスの赤字事業所の割合は全サービス平均で37・5%。特養は44・3%、老健は49・3%だった。

■来年度予算編成方針 保険料負担の増加抑制を強調(11月27日)
 政府は2026年度予算編成の基本方針案を経済財政諮問会議に示した。社会保障については「保険料等の国民負担の増加を抑制することが重要」と明記し、応能負担の徹底などを強調した。また税と社会保障の一体改革について話し合う「国民会議」の早期設置に向けた議論を進めるとした。

■18兆円超えの今年度補正予算案を決定(11月28日)
 政府は「強い経済」を掲げる新たな総合経済対策の裏付けとなる約18兆3000億円に上る25年度補正予算案を閣議決定した。厚労省関係では「医療・介護等支援パッケージ」に約1兆3650億円(うち介護分野2721億円)を計上した。ケアマネジャーなども含めた幅広い介護従事者を対象に月1万円の賃上げ支援を半年間行う事業などが盛り込まれた。

■全国老施協 高市首相に緊急要望書を提出(11月27日)
 全国老人福祉施設協議会の大山会長が高市首相と面会し、食費の基準費用額の引き上げ、全産業平均賃金との格差を是正するための賃上げ原資の補助、介護報酬と基準費用額への「スライド制」導入を今年度補正予算と来年度の期中改定で対応するように求める「緊急要望」を提出した。
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